『万引き家族』 感想


先日、是枝裕和監督の『万引き家族』を見て参りました。

いやー、これはパルムドール受賞しますよ!

文句無しの傑作です。

脚演も、役者も、全部よかった!!!


てことで、まずはあらすじ説明。


舞台は東京の下町。

そこに暮らす「家族」の話です。

家族構成は

父・柴田治(リリーフランキー)

治の妻・信代(安藤サクラ)

息子・祥太(城桧吏)

信代の妹・亜紀(松岡茉優)、

祖母・初枝(樹木希林)の5人家族。


初枝の年金と、万引きによって生計を立てているこの「家族」に、

ゆり(佐々木みゆ)

という幼い女の子が加わるところから物語はスタートします。

色々問題は抱えながらも、家族6人で楽しく生活を送っていたのですが、ある事件をきっかけにそれが崩壊してしまい......


...ざっくりですみません。

細かい情報を言うとネタバレになりそうなので、控えめにしました。


詳しく知りたい方は、Wikipedia等を参照ください。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/万引き家族



さて、私の感想を述べさせていただきますね。


↓↓↓⚠️以下ネタバレ↓↓↓

まず思ったのは、タイトルにもあるように「家族」について。


映画を見れば分かるように、一家は、合法的に認められた 家族 ではありません。

(一部繋がってますが基本は)血の繋がらない、いわば他人同士が、ひとつ屋根の下暮らしていたわけです。


故に、祥太君が入院した際、諸々の罪が公にならないよう、一家は夜逃げという選択を取りました。

病院に置き去りにされた祥太君の気持ちよりも、自身の身を案じたんですね。

結局捕まってしまいましたけど。


家族のこの行為に対し、祥太君は取り調べの中で、


「本当の家族だったらそんな事しないよね」


と言われてしまいます。


一家は、偽物の家族だったのか。

家族になりすました、他人同士に過ぎなかったのか。


私はそうではないと思います。


合法的に認められていなくても、一家には、合法的に認められた家族と同じかそれ以上の「絆」がありました。


だって、治と祥太の海での会話とか、ゆりを抱く信代の姿とか、完全に、家族のそれじゃないですか。

バスに乗った祥太を追いかける治の表情は、遠くに行ってしまう息子を追いかける父親の表情です。


ならば、なぜ、一家は祥太君を置いてしまったのでしょうか。

合法的に認められた家族にはあり、彼らにはなかったものって何なんでしょうか。


私は、「責任感」だと思っています。


一般的な家族の場合、

子が犯してしまった罪の責任は、少なからず親に求められます。

そして親自身、その責任を全うすべきだという認識を持っていることが多いです。


一方、「家族(ここでは合法的に認められていない家族)」の場合、

子が犯した罪の責任を、"他人"がとる必要はありません。

「親」が「子」の罪の責任を取るかどうかは、「親」次第ということになります。


柴田家の場合、諸々の不法行為が明るみに出る危険性があったため、責任は取らないという選択をしたのでしょう。


もう一度言いますが、責任を取らなかったからと言って、家族に「絆」がなかった訳では無いです。


社会的に課せられた責任感の有無が、一家を家族から「家族」にしたのだと思います。



映画からは少し脱線しますが、ここから派生して考えると、

結婚って、

相手の行為に責任を持ちますと誓う行為

なんだろうなー、と、まだ学生の筆者は思ったりしました。


解釈は沢山あると思うので、皆さんの感想も聞けたら嬉しいです、、。



おわり!